にほんブログ村 よかったらワンクリックお願いします。 日本人にとって、フランス文法で苦手なのは多いと思いますが、「les articles définis: le, la, les」もそのひとつでしょう。 私はこれを「日本語のてにをは」に対応するものと考えています。これは日本語の文の意味を明確にするための「が、は、を、に、へ」などの「助詞」の歴史的な呼び方です。日本語との決定的な違いは、「てにをは」が名詞の後ろにつくのに、フランス語の「les articles définis」は名詞の前につくことです。 「les articles définis」と名詞が結びついたグループは、基本的に動詞の主語や補語となります。日本語で「~が」とか「~を」とか、動詞(述語)の意味を限定するのに使われるのと似ていますが、日本語では「~が(主語)」とか「~を(目的語/補語)」が別々の表現となりますが、フランス語では同じ表現が、主語にも目的語/補語にも使えます。(何が主語、何が目的語というのには、議論がありますが、ここではパスします。) Les Japonais aiment manger le riz. (日本人は、米飯が好きだ) 「les articles définis」の日本語訳は「定冠詞」ですが、ここからイメージされるのは、頭に冠(かんむり)のように後付けするということでしょう。確かに「名詞」に対して「頭に付く」ものですが、「les articles définis」は、名詞が出てくる前に「名詞を先導する形」で出てきます。書かれたものを読むときは、「どちらも一緒に目に入ってくる」ような錯覚を受けますが、話し言葉では「les articles définis」は、必ず名詞の前に出てきます。 つまりフランス語を話すときは、まず「les articles définis」を口にして、その後に「名詞」を続けるわけです。「かんむり」という表現が適切でないことが分かるでしょうか。 フランス語は「動詞」を核にして成立している言語です。もちろん動詞だけでは、使える意味を構築することはできなませんから、動詞を補うために「名詞」や「形容詞」、「副詞」などを使います。 「名詞」に限って言えば、単独で使えるのは、いわゆる「固有名詞」、つまり「Marie」とか「Paris」とか特定の人や物についている「名前」です。中には「les articles définis」が付くもの(例:La Rochelle市)もありますが、文法規則に例外は付き物ですから、ここではパスします。 普通名詞を使うときは、「les articles définis: le, la, les」などを先に出して、その後に続けます。「les articles indéfinis:un, une, des」、いわゆる「不定冠詞」もよく使われますし、「数詞(deux, trois, quatre…)」も使われます。 つまり、この3種類「定冠詞、不定冠詞、数詞」から見ても分かるように、フランス人は、名詞を出す前に「単数か複数か」と「男性か女性か」の選択を行っているというわけです。ところが日本人の場合、どうしても、日本語的発想を「フランス語に翻訳」することから始まるので、概念を持った名詞が先に来て、その後に「かんむり」となる「冠詞を選ぶ」形になってしまいます。 「冠詞」という訳語を「先導詞」としたところで、即解決する問題ではないと思いますが、フランス語を学ぶ人に発想の転換のきっかけになってもらえばと思います。 #
by nsato75
| 2015-06-08 03:36
| 文法編
にほんブログ村 よかったらワンクリックお願いします。 フランス語の「過去分詞」は、avoir やêtre という「助動詞」と使われるのが一般的ですが、会話の中では、「既にそうなってしまっている状態」を言い表すのに、単独で使われることがよくあります。 代表的なものを挙げると。 C’est bien parti ! (スタートは上々!) C’est vraiment mal parti !(幸先、本当によくないな。) Bien dormi ?(朝のあいさつで「よく眠れましたか?」) Oh, bien pensé !(お、機転が利くね) こうなると「形容詞」的な使われ方と言っても問題ないでしょう。実際、「分詞」と呼ばれるものは、形容詞として扱われるものも多くありますから。 フランス語では、会話集などから、なるべく簡単な(簡略化された)表現を見つけて、それから、文法的な文に発展させていくことの方が早道だと思います。 あまり「正しい文」ばかりを追求すると、少々窮屈でしょう。 #
by nsato75
| 2015-06-06 00:22
| 法・時制編
にほんブログ村 よかったらワンクリックお願いします。 フランス語には「母音連鎖(enchainement vocalique)」というのがあります。複数の母音を「子音を挟まずに」連続して発音するというものです。 例えば「レオン」という名前は、Léon / le õ / となり「レ・オン」となります。この発音はそう難しくもないのですが、私も最初格闘した「名前」があります。 それは「Jean-Yves」です。この名前の人は、もうほとんどが50代以上でしょう。Jean-MichelやJean-Jacques のように、Jean- で始まる「複合名前」の代表的なものです。 さて、どうしてこれが難しいかというと、私はついつい「Jean-」の後で「リエゾン」してしまい、「ジャンニーヴ」と発音してしまったからです。 Jean-Yves/ ζã iv /(発音記号は、辞書を参考にしてください。) / ζã niv /(私が間違えた発音です) つまり「n」が、母音の間に入ってしまったわけです。元々、母音の後に、意味のない「r」を付けると指摘されることがあったのですが、これを指摘されたときは結構ショックでした。 「ジャン」という日本語の文字が頭にあって「ン」があったために、これが「n」に勝手に変わってしまったのかも知れません。「鼻母音」を「゛」をつけて記述する私流の表記法を使うと「ジャ゛イーヴ」となります。 母音連鎖の難しいところは、発音を分けようとしてあまり「間」をとり過ぎると、切れていると聞こえてしまうことで、自然な感じで発音できるようになるには、やはり慣れでしょうか。 日本語で言うと「ケンイチ」という名前を、フランス人が「ケニチ」と発音するのとちょっと似ています。 Kenichi と綴ると、「Ke」「ni」「chi」という様に区切られてしまい、「ケニチ」と発音されてしまいます。 これを防ぐために、Ken'ichi と「 ’ 」で区切ることがあります。 例えば、映画監督の「是枝 裕和」さんですが、「これえだ」と発音してもらうためでしょうか、フランスでは、Kore-edaと表記することが多いようです。 #
by nsato75
| 2015-02-01 22:52
| 発音編
にほんブログ村 よかったらワンクリックお願いします。 ネットで「一音節」のフランスの都市を検索してみました。つまり母音が1つだけということで、子音の数は、調べた限りでは、最高4つでした。綴りではある子音が発音されないのもありますので注意が必要です。 例えば。 リヨン、ニース、ナント、リール、レンヌ、ランス(r/lと母音違いで2つあります)、ニーム、トゥール、メス、カーン、ルーアン、ポー、カンヌ、トロワ、二オール、イエール(綴り違いで2つ)、ヴァンヌ、アルル、モー、シェル、ブロワ、タルブ、セット、ドゥエー、イストル、シャルトル、ブロン、ギャップ、スタン、ディエップ、クレイユ、ドルー、ウイユ、ヴィエンヌ、トラップ、ティエ、サンス、ヴァンヴ、サント、ラン、ドル、べグル、ボーヌ、オーシュ、ロス、アグド、クロワ、などなどです。 皆さんに馴染みがあるのは、リヨン、ニース、ナント、トゥール、カンヌ、シャルトルなどでしょう。 一音節の都市名は意外にあります。複数子音で始まったり、終わったりするものは、厄介ですが、こういうものがあるとパターンで見るのもいいかと思って、リストにしてみました。 それでは発音パターン別に見てみましょう。発音記号は、正しいフォントがないので参考までです。 まずは「子音+母音」 ポー Pau / po / モー Meaux / mo / カーン Caen / kã / ラン Laon / lã / そして「子音+(半母音+母音)」 ティエ Thiais / tje / ドゥエー Douai / dwe / リヨン Lyon / ljõ / ルーアン Rouen / rwã / 「複合子音+母音」 ドルー Dreux / drø / ブロン Bron / brõ / スタン Stain / stē / 「複合子音+(半母音+母音)」 トロワ Troyes / trwa / ブロワ Blois / brwa / クロワ Croix / krwa / 「子音+母音+子音」 ニース Nice / nis / リール Lille / lil / ニーム Nîmes / nim / レンヌ Rennes / rεn / トゥール Tours / tur / メス Metz / mεs / (メッツと読むのは、ドイツ語/米語読みです) カンヌ Cannes / kαn / ヴァンヌ Vannes / vαn / シェル Chelles / ʃεl / セット Sète / sεt / ドル Dole / dol / ボーヌ Baune / bon / オーシュ Auch / oʃ / ロス Loos / los / ギャップ Gap / gap / ナント Nantes / nãt / サンス Sens / sãs / ランス Lens / lãs / ランス Reims / rēs / サント Saintes / sēt / イエール Yerres / jεr / イエール Hyères / jεr / ウイユ Houilles / huj / (「h」は有気音。このため、ウイユ市長はle maire de Houillesとなります) 「子音+(半母音+母音)+子音」 二オール Niort / njor / ヴィエンヌ Vienne / vjεn / (オーストリアのウィーンも同じつづりになります。) ディエップ Dieppe / djep / 「複合子音+母音+子音」 クレイユ Creil / crεj / グラース Grasse / grαs / トラップ Trappes / trap / フレンヌ Fresnes / frεn / 「子音/複合子音+母音+複合子音」 アルル Arles / αrl / タルブ Tarbes / tαrb / べグル Bègles / begl / イストル Istres / Istr / シャルトル Chartres / ʃαrtr / サーキットで有名な「ル・マン」は、場所を示す前置詞「 à 」を付けると「 au 」になって、二音節になるのでこれも追加しておきます。 ル・マン le Mans / l∂ mã / ル・マンで au Mans / o mã / #
by nsato75
| 2015-01-16 18:12
| 発音編
にほんブログ村 よかったらワンクリックお願いします。 英語の文法を勉強したとき「主語+動詞+補語(目的語)の3点セット」をよく効きされたと思います。これに対して日本語では「主語+補語(目的語)+動詞の3点セット」ということになります。 これが頭にあると「どうしても3点セットで文を作らないといけな」いという強迫観念が生まれるようですが、特に話し言葉では、この限りではありません。 例えば。。。 Ta voiture est belle. 「あなたの車はかっこいいですね」という代わりに。 Elle est belle, ta voiture. 「かっこいい。あなたの車」という表現がよく使われます。 Elle est belle という表現には、一見「主語」があるように見えますが、これは「主語代名詞」で、女性名詞の代わりとして、どんなもの(人、物、事象)にも使えるので、主語はあくまで「ta voiture」です。 こう見ると、Elle est belle, ta voiture. という表現は、「動詞+形容詞」+「冠詞+名詞」という「2点セット」が2つ続く文になります。 もちろん、全てがこのようになるわけではありませんが、「3点セット」の文にこだわりすぎなくてもフランス語は話せることになります。ただし、書き言葉では「3点セット」のように全ての文の要素をきちんと並べることが大切ですので、注意してください。 余談ですが、日本語も話し言葉では、「2点セット」の連続になっていることがよくあります。くだけた会話になればなるほど、その傾向は強まります。 どんな言葉でも。単語の羅列では通じませんが、「2点セットのたたみかけ」は効果があります。インターネットでの検索も「一語」だと難しいですが、「二語」になると、範囲がかなり狭まり、「三語」になると、より効果的なのも、これと同じことです。 #
by nsato75
| 2015-01-11 14:10
| 文法編
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