にほんブログ村 日本人が最も苦手とする発音が、/l/と/r/の区別でしょう。 日本語には、これに対応するものに「ラ行」しかないのが現実ですから。 ところが初学者に朗報があります。/l/の発音は、まあ「ラ行」で代替するとして、/r/に関して「うがいをするように喉を震わせて発音」という表現が分かりにくかったら、ちょっと大げさな「ハ行」で代替と言う手があります。 フランス語には /h/ の発音がない事は、前にも少し触れました。 例えば:女性の名前の Hélène は「ヘレーヌ」ではなく「エレーヌ」です。 (余談ですが、このおかげで「ハ行」を名前にもつ人達は、ちょっとしんどい思いをします。例えば:「はじめ」は「アジメ」、「ひなこ」は「イナコ」になってしまいます。前に聞いた話ですが「ひさこ」さんは、Hisako と書くので、/h/ が発音されないばかりか、母音に挟まれた s の文字が /z/ で発音され「イザコ」になってしまうそうです。同類では、地名の「伊勢(いせ)」も、普通フランス語では「イゼ」と濁ってしまいます。) このフランス語の子音体系の「穴」を利用して、/r/を「ハ行」で置き換えるわけです。 例えば:Paris は「パヒ」です。日本語流に「パリ」と発音すると le pâli つまり、「(インド起源の)パーリ語」に聴こえてしまう可能性があります。まあ、大体は意味を推測してくれて「パリ市」の方で理解してくれますが。 ただこれは「あくまで、初めのうちの応急手段」と考えてください。発音としてはやっぱり違うので、練習するのは大切です。 後、/l/ は、/t/ と/d/ の発音に近い事を付け加えておきます。舌を上あごに押しつけて、しっかりためてから発音する点に関しては、3つとも同じと言えます。日本語の「ラ行」よりは、ちょっと大げさになります。「(ルゥー)ラ」と言う感覚でしょうか。 また、/r/は、舌が上あごにつかず、喉を主に使って発音する形になります。パリ地方では「巻き舌の/r/」は使わないので、喉だけに注意を注げばいいでしょう。こういうことを言うと、南仏地方の人に怒られそうですが。
by nsato75
| 2009-05-01 18:29
| 発音編
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