フランス語の名詞に「性別」は本当にあるのか?

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今日、3回目の投稿です。

フランス語の名詞に le masculin (男性形)と le féminin (女性形)があることは皆さんご存知だと思います。例えば、le soleil(太陽)は男性名詞、la lune(月)は女性名詞です。男性/女性の違いで、定冠詞が le になるか la になるか、不定冠詞なら、un になるか une になるかが決まりです。それに、名詞に付く形容詞の形も変わります。つまり、どちらの「性」になるかで、表現が変わってくるのです。

le bureau / la table (机/テーブル)
un bureau / une table
un grand bureau / une grande table - /grã/- /grãd/
(大きな机/大きなテーブル)
un bureau chinois / une table chinoise - /ʃi-nwa/ - /ʃi-nwaz/
(中国製の机/中国製のテーブル)

でも、どうして「机」が「男性」で、「テーブル」が「女性」なのでしょうか。机とテーブルが結婚出来るとでも言うのでしょうか。その子供が「椅子」というのは、下手な「なぞなぞ」にもなりません。

実は、フランス語の名詞にも、動詞ほど複雑ではないですが、一種の「活用」があると考えたらどうでしょうか。フランス語には二種類の名詞があって、そのどちらかで「活用」が変わってくる訳です。なぜこれを「男性形/女性形」と呼ぶかですが、この区別が、生物学上の「性別」と「たまたま」一致するからです。こじつけかも知れませんが、文法自体、元々人間が考えたものです。別の見方があってもいいはずです。

フランス語の名詞の基本は le masculin (男性)です。別にこれは「男尊女卑」ではなく、外国語がフランス語に入ってくるときのプロセスを見れば分かります。ほとんどの場合「男性名詞」として入ってきます。ただ、明らかに生物学上の性がある場合は「女性名詞」です。日本語の例を挙げます。

le judo (柔道)
le karaté (空手)
le karaoké (カラオケ)

la mousmé (娘)
la geisha (芸者)

また、明らかにフランス語の特定の「女性名詞」を意識して使っている場合は「女性名詞」扱いになります。英語の star が、テレビや映画の「スター」として使われる場合は「女性名詞」として使われます。これは、フランス語の étoile が女性名詞だからでしょう。他に「スター」を指すフランス語の名詞に la vedette があります。これも「女性名詞」です。

une étoile (星)
une star (スター)

「漫画」は、今では le manga と「男性名詞」として使われるのが一般的ですが、「北斎漫画」として入ってきたときは La Hokousaï mangwa と「女性形」でした。(綴りに注意してください。北斎は今なら Hokusai、漫画は manga と書きます。他にも、Hokoussaï という綴りもあったようです。)これは「漫画」を l'image (像、映像、イメージ)という女性名詞と結びつけたからでしょう。

「男性/女性」どっちになるかは、フランス語を母国語とする人にとっては、自然な感覚です。日本人が「山」「やま」「ヤマ」のどれを使って書くかで、微妙なニュアンスを使い分けているのとちょっと似ています。「男性名詞」が基本だとすれば、女性名詞を使うときの「微妙な感覚」を肌で感じ取り、女性名詞用の「活用」を、自然に出来るようになれば言い訳です。

長々と書いてしまいましたが、特定の名詞が、男性か女性かは、結局の所、1つ1つ覚えるしか方法がありません。まあ、語尾の綴り(例: -ion で終わるもの)で、必ず女性名詞になるものもありますから、全部覚える必要はないですが、何度も聞いて,何度も使って慣れるのがやはり一番でしょう。
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by nsato75 | 2009-05-20 10:19 | 文法編
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