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de と des の違い

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sabahill さんからの質問に私なりに答えようと思います。

de と des の違いは「l'article indéfini 不定冠詞」の違いだと思います。

フランス語では名詞は「数えられるもの」と「数えられないもの」に分けられます。前者の「数えられるもの」で「数を特定しない」場合、この des を使います。例えば。

J'ai des amis au Japon. 日本に友達がいます。
Elle mange des pommes tous les jours. 彼女は毎日リンゴを食べます。

どちらの場合も、実際に友達が何人いるか、リンゴを何個食べるかのは分かりません。たいていの場合「複数」つまり二人(二個)以上でしょうが、もしかしたら一人しかいないかもしれないし、今日は一個、でも昨日は三個なのかもしれません。しかしこの表現を使うとそこのところをはっきりしなくてもすむ訳で、これが「indéfini 不定」と文法学者に言わしめるゆえんです。
前にもちょっと書きましたが、日本に友達が本当に一人だけだったら un ami と表現するかもしれませんが、こうするとその友達は男性であることが人に知れてしまいます。逆に une amie とすると女性です。これが分かって都合の悪い場合など des を使うとこの部分を「ぼやかす」効果もあります。

さて本題に入りましょう。実はこの表現で名詞の前に形容詞がつく場合、des が de に変わります。例えば。

J'ai de bons amis au Japon. 日本にいい友達がいる。

形容詞が一種「不定冠詞」の役目を果たす訳です。この場合形容詞 bon に複数の -s が付いており、しかも次の amis の母音 /a/ とリエゾンして /z/ が挿入され /də bõ za mi/ 発音されます。しかし de の /ə/ は大抵発音されず「落ちて」しまうので /dbõ za mi/ となります。
前の例は /de za mi/ ですから母音の数では同じになります。

しかし時に、de にならない場合もあります。例えば。

Matthieu a acheté des petites assiettes. マチウは小さなお皿を(何枚か)買った。

本来なら de petites assiettes となるはずなのですが、人によっては話し言葉では上の例のような表現を使う場合があります。

Jean a des petits-enfants. ジャンには孫が(何人か)いる。

というように形容詞と名詞がもう1つの独立した名詞になっている場合は当然ですが、その前の例はそれには該当しません。でも話し言葉ではよく使われるようです。フランス語も「乱れている」のかもしれません。

最後に私がずっと悩んでいた表現があります。d'autres と les autres の違いです。例えば。

Tu ne connais pas d'autres cafés ? (このカフェじゃなくて)他のカフェ知らない?
Les autres cafés étaient tous fermés. 他のカフェは全部閉まっていた。

d'autres の d' は、ここでいう「不定冠詞」ですが、作文の時にどうしても des(つまり des autres cafés)にしてしまった記憶があります。今では普通に使っている表現ですが、不定詞のところでこういう d'autres の使い方があることの説明がなかったのでずっと独りでどうしてなんだろうと悩んでしまいました。2つ目の文は「les 定冠詞」の例で「他の全ての」という意味になります。

ちなみに un を使って最初の文を書き直すと次のようになります。お茶するためには一軒のカフェが開いていれば十分なのでこっちも使えます。

Tu ne connais pas un autre café ? (このカフェじゃなくて)他のカフェ〔一軒)知らない?


結論としては、ここでいう、いわゆる「不定冠詞」の場合、全て de の後の名詞は「複数形」になります。「de + 単数形」というのは単独では使われないはずです。この場合 「un / une + 単数形」となるはずだからです。

以上でいかがでしょうか。でも、もしこのような用法「de + 単数形」が実際にあったら教えていただけますか。
by nsato75 | 2010-04-07 10:15 | 文法編
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