命令法と動詞「vouloir」。。。

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命令法で使う動詞に面白いものがあります。「vouloir」は「~を欲する/欲しがる」という意味の動詞ですが、これを命令形で使う事があります。

実は、銀行にお金をおろしにいくとよく見かける表現にこんなものがあります。

Veuillez insérer votre carte. (カードを差し込んでください。)

これは現金自動預け払い機の画面に最初に出て来るメッセージです。ちなみに、普通の命令形も使われます。

Insérez votre carte. (カードを差し込んでください。)

これは、2人称・複数 veuillez + infinitif (不定詞:辞書形)です。直訳すると「(〜することを)欲しがって下さい」となり、ちょっと変ですが、書き言葉でよく見かけます。ATMの前のお客さんは普通一人なのに、複数形なのは丁寧な表現の為です。

あらたまった手紙の締めくくりにも使われます。日本語の「敬具」にあたります。

Veuillez recevoir mes sincères salutations.
(直訳すると「私の心からの敬意を受け取って下さい」でしょうか。締めくくりの言葉には、これ以外にもかなりバリエーションがありますので、探してみて下さい。)

話し言葉でも丁寧にお願いするような場面でも使われますが、私の経験から言うと、よほどあらたまった場でないと使われない気がします。誰でも使う訳でもなさそうです。

Madame, veuillez vous asseoir. (大人の女性に向かって、どうぞお座りください)

命令法は基本的に3つありますが、この動詞の他の2つの活用形は文法的には可能ですが、ほとんど使われないようです。

1人称・複数 veuillons
2人称・単数 veuille

「vouloir」の命令法で、良く見かけるものがありますが、「vouloir」そのものではなく「en vouloir à ~」という表現で使われます。この表現は「〜に対して怨む(うらむ)」というちょっと物騒な意味ですが、結構頻繁に使われます。「悪く思わないでね」といったニュアンスですね。

Ne m'en veux pas ! (私の事を怨まないでください)
Ne m'en voulez pas ! (私の事を怨まないでください)

この場合、直説法・現在形の形がそのまま流用されています。ただ、veuille / veuillez を使う人もいるようです。

Ne m'en veuille pas ! (私の事を怨まないでください)
Ne m'en veuillez pas ! (私の事を怨まないでください)

「vouloir」が「en vouloir à ~」になると、全く意味の違った使い方の様な印象をうけますが、私はそうは思いません。「vouloir」が「自分の情念を、ある対象に向ける」ことだとすると、この情念がネガティブに転じると「en vouloir à ~(怨む)」となると考えたらどうでしょうか。

命令法がない動詞も実はあります。これはまた別の機会に。
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by nsato75 | 2012-01-30 01:04 | 法・時制編
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