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フランス語の「性」ー 補足

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修正 6月11日

投稿をちょっとお休みしてましたが、再開です。今日は、前回の「性」の補足説明です。

フランス語の「性」は、「男性」か「女性」の「二者択一」です。どちらかに転ぶというよりは、もともと「男性」が「基本」で「女性」が「特別」と考えた方がいいようです。

皆さんの中で「男性の方」は、自分の事を話す時に「基本となる男性形」を使えばすみますが,「女性の方」は、そうはいきません。常に自分が「女性」である事を意識しなくてはいけません。でないと「男性が話している」と思われてしまいます。動詞(助動詞)être のとる形容詞にそれは顕著に表れます。

Je suis japonais. / Je suis japonaise. (私は日本人です。)
/ʒa-po-nɛ/ - /ʒa-po-nɛz/

J'étais heureux. / j'étais heureuse. (とても幸せだった。)
/ø-rœ/- /ø-rœz/

それに、発音は同じでも、書く時に「形容詞の女性形」の印である -e を形容詞の一番後ろに付けなくてはいけません。でないと「男の人が書いた」と思われてしまいます。

Je suis fatigué. / Je suis fatiguée. (疲れた。)
/fa-ti-ge/ - /fa-ti-ge/

Je me sens abusé. / Je me sens abusée. (つけこまれたと思う。)
/a-by-ze/ - /a-by-ze/

男性も、自分以外の事を話す時は当然のごとく「女性形」を使わなくてはいけなくなります。
女の友達に向かって tu es beau. といったら、はり倒されるかもしれません。

それに、女性名詞と形容詞が結びつく場合もいっぱいあります。表現にたくさん触れて、女性形で、反応出来るように感覚を磨くようにしてください。
J'aime la cuisine française. (わたしはフランス料理が好きだ。)
Il habite dans une grande maison. (彼は大きな家に住んでいる。)

余談ですが,女性名刺の複数形 elles は、女性名詞だけでないと成立しません。つまり「ひとり(ひとつ)」でも男性名詞が入ると、女性が何千何万人いようが、主語代名詞は ils になってしまいます。

Il y a des femmes dans le salle d'attente. Elles attendent le médecin.
(待合室には、女性が何人かいる。皆、医者を待っている。)
Il y a des femmes et un homme dans la salle d'attente. Ils attendent le médecin.
(待合室には、女性が何人かと男性が一人いる。皆、医者を待っている。)

今日はこのくらいで、また次の投稿で。
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by nsato75 | 2009-05-30 08:30 | 文法編

フランス語の名詞に「性別」は本当にあるのか?

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今日、3回目の投稿です。

フランス語の名詞に le masculin (男性形)と le féminin (女性形)があることは皆さんご存知だと思います。例えば、le soleil(太陽)は男性名詞、la lune(月)は女性名詞です。男性/女性の違いで、定冠詞が le になるか la になるか、不定冠詞なら、un になるか une になるかが決まりです。それに、名詞に付く形容詞の形も変わります。つまり、どちらの「性」になるかで、表現が変わってくるのです。

le bureau / la table (机/テーブル)
un bureau / une table
un grand bureau / une grande table - /grã/- /grãd/
(大きな机/大きなテーブル)
un bureau chinois / une table chinoise - /ʃi-nwa/ - /ʃi-nwaz/
(中国製の机/中国製のテーブル)

でも、どうして「机」が「男性」で、「テーブル」が「女性」なのでしょうか。机とテーブルが結婚出来るとでも言うのでしょうか。その子供が「椅子」というのは、下手な「なぞなぞ」にもなりません。

実は、フランス語の名詞にも、動詞ほど複雑ではないですが、一種の「活用」があると考えたらどうでしょうか。フランス語には二種類の名詞があって、そのどちらかで「活用」が変わってくる訳です。なぜこれを「男性形/女性形」と呼ぶかですが、この区別が、生物学上の「性別」と「たまたま」一致するからです。こじつけかも知れませんが、文法自体、元々人間が考えたものです。別の見方があってもいいはずです。

フランス語の名詞の基本は le masculin (男性)です。別にこれは「男尊女卑」ではなく、外国語がフランス語に入ってくるときのプロセスを見れば分かります。ほとんどの場合「男性名詞」として入ってきます。ただ、明らかに生物学上の性がある場合は「女性名詞」です。日本語の例を挙げます。

le judo (柔道)
le karaté (空手)
le karaoké (カラオケ)

la mousmé (娘)
la geisha (芸者)

また、明らかにフランス語の特定の「女性名詞」を意識して使っている場合は「女性名詞」扱いになります。英語の star が、テレビや映画の「スター」として使われる場合は「女性名詞」として使われます。これは、フランス語の étoile が女性名詞だからでしょう。他に「スター」を指すフランス語の名詞に la vedette があります。これも「女性名詞」です。

une étoile (星)
une star (スター)

「漫画」は、今では le manga と「男性名詞」として使われるのが一般的ですが、「北斎漫画」として入ってきたときは La Hokousaï mangwa と「女性形」でした。(綴りに注意してください。北斎は今なら Hokusai、漫画は manga と書きます。他にも、Hokoussaï という綴りもあったようです。)これは「漫画」を l'image (像、映像、イメージ)という女性名詞と結びつけたからでしょう。

「男性/女性」どっちになるかは、フランス語を母国語とする人にとっては、自然な感覚です。日本人が「山」「やま」「ヤマ」のどれを使って書くかで、微妙なニュアンスを使い分けているのとちょっと似ています。「男性名詞」が基本だとすれば、女性名詞を使うときの「微妙な感覚」を肌で感じ取り、女性名詞用の「活用」を、自然に出来るようになれば言い訳です。

長々と書いてしまいましたが、特定の名詞が、男性か女性かは、結局の所、1つ1つ覚えるしか方法がありません。まあ、語尾の綴り(例: -ion で終わるもの)で、必ず女性名詞になるものもありますから、全部覚える必要はないですが、何度も聞いて,何度も使って慣れるのがやはり一番でしょう。
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by nsato75 | 2009-05-20 10:19 | 文法編

le passé simple (単純過去)は、現在から切り離された過去???

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さっき、かなり書いたのにうっかりウインドウを閉じてしまい全ておじゃんです。でも気を取り直して、今日二回目の投稿です。

フランス語を始めて、かれこれ20年になります。でも始めから「日本人の為のフランス語」の必要性を感じていたわけではありません。当初は、参考書に書かれた文法を「そのまま」信じていましたし、動詞の活用に関しても「丸暗記」しようと頑張ったものです。

日本語で書かれた「フランス語文法」が、日本人にはあっていないと思ったのは、le passé simple (単純過去)の説明をフランス語で読んだときの事です。日本語で読んだ説明がそのまま、フランス語で書いてありました。つまり「フランス人が、既にフランス語を話すフランス人(時に子供)向けに書いたフランス語文法」の「日本語への直訳」だったわけです。フランス語を、これから勉強する日本人達に取って,理解しにくいのは当然でしょう。

さて、どんな説明が書いてあったのかというと、le passé simple は「現在から切り離された過去」というものです。これに対して、「現在と、つながりのある過去」があり、これが le passé composé (複合過去)に当たります。 le passé composé は英語の「現在完了形」と形が似ている事もあって、漠然とそんなもんかなと始めは思っていました。

il marche - le présent (現在形)
il marcha - le passé simple (単純過去形)
il a marché - le passé composé (複合過去形)

しかし、よくよく考えてみると、日本語では「動詞の過去形」は、1つだけです。「行く」に対して、「行った」しかないのです。過去の表現で、現在とつながりがあるかどうかは、日本語では問題になりません。いくら説明を聞いても、感覚的に理解する事は難しいわけです。「行ってしまった」というようなニュアンスのある表現はあっても、これもあくまで「行ってしまう」の過去形です。

また、le passé simple は「文学作品の中で主に使われて、日常的にはほとんど使われない」ことから、 le passé simple を覚える必要はないと言う人もいます。確かにこれは一理ありますが、まだ本が読めない子ども達に読み聞かせる「おとぎ話」のほとんどが、 le passé simple で書かれている事実がある限り「完全な無視」を決め込む事も出来ないでしょう。子ども達に向かって「この動詞の le passé simple は?」と聞いても、普通は答えられないでしょうが、この時制で書かれていないと、お話の中に「入っていけない」のです。お話の「臨場感」のようなものが感じ取れないのです。

それでは le passé simple というのは、一体どういう時制なのでしょうか?

単純に言って、これは「お話」の時制です。もっと噛み砕いて言うと、連続してに起こる一連のアクションを表現するのに使われるという事です。どんな言葉でも、お話を語る事は出来ますが、フランス語には、これに「特化した時制」があると言う事になります。だからこそ「おとぎ話」使われるわけです。昔懐かしい「紙芝居」を思い出してください。おじさんが(今は,女性も多いですが)絵を差し替える度に、お話が新展開します。1枚めくる前の「次に何が起きるのだろう」というサスペンスは、le passé simple で書いた「お話」を読む時のサスペンスと実は同じなのです。

変な話ですが「お話」というのは「フィクション」がほとんどです。いくら過去にあったと言う「設定」でも、フィクションはフィクションです。逆に、この設定を「未来」にする事も十分可能です。従って「近未来小説」も le passé simple で書かれるわけです。この点からも le passé simple は「過去の時制」という事は通用しなくなります。文学作品が過去に起きた設定で書かれていた時期に出来た文法用語という文脈を考えると、分からなくもないですが、この時制が実は、「現在から切り離された過去」どころか、単なる「過去」とも、全く関係ないのが分かると思います。日本語でも、おとぎ話は「昔々、あるところに」から始まりますが、フランス語のおとぎ話は "Il était une fois un roi..." (昔々、王様が…)と始まります。この表現に惑わされてはいけません。おとぎ話は作り話、あくまで「フィクション」なのです。

さて、日本語で、この「お話」の感覚を出そうとすると、1つの文の中でとアクションを順番に並べる事になります。こうすると動詞の順番を変える事は出来ません。その証拠に、順番を変えると意味が変わってしまいます。例えば:
 7時に起き,朝食をとり、学校に行った。

アクションの順番を追うというのは、おとぎ話のような「お話」に限りません。自分が、昨日した事、他の人がした事を説明するとき等も同じです。料理のレシピなんかも、これに該当します。手順を間違えたら、おいしい料理は出来ません。といって、こういう表現に全て le passé simple を使う必要はありません。使ったら逆におかしいです。

日常的に自分の経験とかを人に話す時は,助動詞の le présent + participe passé (過去分詞)の形を使います。これを le passé composé (複合過去)と呼びますが、実は le présent composé (複合現在)とでも言った方が実は合っているかもしれません。活用する助動詞 avoir / être は、あくまでも le présent (現在形)だからです。この時制が,感覚的に「現在」に近くなるのはうなづけます。 le passé composé (複合過去)という名称は、文学作品等で多用される le passé simple に対して、日常的に圧倒的に使われる le présent + participe passé の活用形を指するのに考えられた「苦し紛れの名前」と言えないこともないです。

Je me suis levé à sept heures. J'ai pris le petit déjeuner. Je suis allé à l'école.
(7時に起きた。朝食をとった。学校に行った。)

料理のレシピは、l'infinitif(不定詞)か l'impératif(命令法・現在形)が、よく使われます。

Eplucher une carotte et la couper en rondelles. (ニンジン一本の皮を剥き、輪切りにします。)
Epluchez une carotte et coupez-la en rondelles. (ニンジン一本の皮を剥き、輪切りにしてください。)

ここで一番大事な事は、順を追って起こる(起こった)全てのアクションの表現に「同じ時制」を使う事です。これさえ守れば、例えば le présent(現在形)を使って,過去に起きた事を表す事が可能です。これは文学作品にも時に使われ le présent historique(歴史的現在形)と呼ばれます。中国語等、活用のない言語では、副詞を使って、今の事か、既に起きた事かを区別します。それと同じ理屈です。

過去の事を文章で表すのに le passé simple か le passé composé を使って、話の筋を作り、l'imparfait を使って、天気、時間、背景の説明などをします。これの使い分けがちゃんと出来ていれば問題がないのですが、2つの時制(例えば、le passé composé と l'imparfait )を、きちんと使い分けずに使うと、話の筋と、話の背景が、ごちゃまぜになり意味の通らない文章になってしまいます。しかし全ての動詞を le présent に活用して書けば(話せば)、読む方(聞く方)が、筋か背景かの判断をしてくれますので、混乱は避けられます。(慣れてきたら、現在形だけを使うのはやめましょう。やはり「幼い」イメージを与える恐れがあり、知性を疑われる可能性があるので。)

ちょっと長くなってしまいましたが、いかがでしょうか。
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by nsato75 | 2009-05-20 04:19 | 法・時制編

「活用」と「発音」の密接な関係 ー 3 ー

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今日は、再び動詞の活用です。
「第3グループ 不規則変化動詞」をしたいと思います。ただ、このグループの動詞は非常に多いので何回かに分けて説明する予定です。

私は,このグループの動詞を大きく2つに分けます。「基本形」は「(直説法)現在形・3人称単数男性(主語代名詞は il )」です。

1。「基本形」が「母音」で終わるもの
2。「基本形」が「母音+子音」で終わるもの

このグループでは「基本形が母音で終わるもの」が大多数を占めています。前にも説明しましたが、母音で終わる事によって「活用語尾」が付く時、どうしても「つなぎの子音」が必要になります。どの子音が来るかですが、基本形の綴りにすでに「発音しない子音文字」として付いている場合があります。
これが顕著にあらわれるのが「現在形・3人称-複数-形」です。第1グループの動詞は「全て例外なく」つづりは違っても「発音は全く同じ」になるのと対照的です。(第3グループでも「例外的」に3人称単数/複数同じになるものありますが、これはやはり「子音」が基本形に付くものです。

il met /mɛ/ - il mettent /mɛt/(複数形)- mettre /mɛtr/(不定詞)
il sens /sã/ - il sentent /sãt/(複数形)- sentir /sã-tir/(不定詞)

それに、このグループの動詞の特長は、多くが「母音の変化」がある事です。例:/ø/ - /u/。

il veux /vø/ - vous voulez /vu-le/(2人称複数形)
- vouloir /vu-lwar/(不定詞)

「基本形が子音でおわるもの」の中には、この子音が「つなぎ」として使われる場合もありますが、基本形の子音はそのまま(あたかも母音の一部として扱われ全部の基本形で変わらない)で、全く別の子音が付く場合もあります。次の2つの例は、子音/r/が基本形に付く場合です。

il court /kur/ - il courait /ku-rɛ/(半過去形)- courir /ku-rir/(不定詞)
il part /par/ - il partait /par-tɛ/(半過去形)- partir /par-tiir/(不定詞)

「基本形」が「母音」で終わるものの中で、更に、4つの助動詞 (être, avoir, faire, aller)は、別扱いします。この4つは、活用のパターンが特殊であるだけではなく、実は共通点もあるからです。

特殊なのは、faire を除いて、現在形の活用形で「基本形(3人称単数男性)」と「1人称単数(主語代名詞 je)」の活用形の発音が変わる所です。「主語代名詞」との発音で、ちょっと変わった音節の作り方をするので、ここでは「主語代名詞」を含めた発音記号を載せました。

il est /i-lɛ/ - je suis /ʒə-sɥi/ - être
il a /i-la/ - j'ai /ʒɛ/ - avoir (je の -e が、ai の前で「落ちる」)
il va /il-va/ - je vais /ʒə-vɛ/ - aller
il fait /il-fɛ/ - je fais /ʒə-fɛ/ - faire

もう1つの特長は、「現在形・3人称複数形」に、この4つの動詞は「全く同じ母音」を取る事です。

il est /il-ɛ/ - ils sont /il-sõ/ - être
il a /il a/ - ils ont /il-zõ/ - avoir (ils の -s が、ont と、リエゾンして /z/ になる。)
il va /il-va/ - ils vont /il-võ/ - aller
il fait /il-fɛ/ - ils vont /il-fõ/ - faire

この4つの動詞は、助動詞として他の動詞と結びついて、いろんな使われ方をしますので、他の動詞の活用とは別に覚えるようにしましょう。他の動詞では、ある程度のパターンが適用出来るのに、この4つは本当に「不規則」な変化をするからです。

続きはまた。
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by nsato75 | 2009-05-19 21:02 | 活用編

フランス語の「言葉遊び」 Jeu de mots

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今日は難しい話は、さておいて、フランス語の「言葉遊び」です。

ワープロで文を書いている時、ちゃんと打ったのに変換キーを押した時に、予想もしない「文」がでてくる事があります。例えば、「肉まん」が、「憎まん」になったりです。

フランス語には、日本語の様なワープロはありませんが、同じ様な事が出来ます。発音は同じなのに、ちょっと綴りを変えて、別の単語や表現にしたりします。例えば:

sang blanc - semblant
 (白い血)ー(見せかけ)

こういう「遊び」が出来るようになれば、フランス語の発音に慣れてきたと言えるでしょう。まあ,一種の「親父ギャグ」なので、あまり使うと「ひんしゅく」ですが。

いくつか例を挙げるので、本当はどんな単語になるのか考えてみてください。前に書いた「やまもと」のジョークもこの部類に入ります。 人の名前とかもありますので、注意してください。

1. sans drap (シーツなし)
2. (elle est) ravie au lit (この意味はご想像にお任せします)
3. (il) n'a qu'à sonner (呼び鈴を押すだけでいいのに)
4. (ce chien) jappe au nez (このイヌは、鼻先できゃんきゃん吠える)
5. trou blanc (ホワイトホール)
6. peau lisse (なめらかな肌)
7. six lances (六本の槍)
8. mère veilleuse (見守る母)
9. cent cibles (百個の的)
10. une malle à droite (右のつづら1つ)

分かった方の「湖面と」待ってます。
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by nsato75 | 2009-05-15 06:30 | 単語編

フランス語の「リズム」 について。。。

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今日は調子がいいので、三回目の投稿です。まだまだ書く事は山ほどあるので、もっと急がなくちゃ行けないんだけど、いつも時間があるわけではないし、ちょっとジレンマです。

フランス語の発音で大事なのは、母音を1つ1つ追えるようになることは、前に少し話しました。例えば,日本人の「メルシ」より中国人の「メシ」の方が通じます。Merci /mɛr-si/ が、母音2つの「2音節」だからです。

母音を追うのは、日本語の俳句や和歌で、五七五、五七五七七を数えるのと似ています。日本語では、「ン」や「コウ」の「ウ」、「イッタ」の「ッ」も、1つに数えます。専門用語ではこれを「拍(はく)」と呼びます。フランス語では、こういう数え方はせず「母音」だけを数えます。

私の友達のフレデリック・ボワレのBD作品に「ゆき子のほうれんそう」と言うのがあります。この中に、主人公のフランス人の彼が、「おへそ」と発音しているつもりなのに、日本人の彼女には「ホウレンソウ」と聞こえるというエピソードがあります。何故そう聴こえるのでしょうか。

おへそ    /o-he-so/
ホウレンソウ /ho-o-re-n-so-o/

「おーへーそー」とゆっくり発音しても、フランス人にはあくまで三音節ですが、日本人には「6つの拍」に聴こえます。こうなると、もう「おへそ」には聴こえなかったのでしょう。6拍で近い言葉を頭の中でとっさに探して、「ホウレンソウ」が浮上したわけです。ちょっとこじつけっぽいかもしれませが、実際そんな所でしょう。

フランス語の音節の切れ目を勉強するのにかっこうの教材が歌です。基本的に、1音符に、1音節が対応します。ただ/ə/も1音節として数える事があるので,ちょっと注意が必要です。

私の好きなFrancis Cabrelの Petite Marieのさわりを見てみましょう。
Petite Marie, je parle de toi. Parce qu'avec ta petite voix
/pə-ti-tə-ma-ri ʒə-par-lə-də-twa pars-ka-vek ta-pə-ti-tə-vwa/

詩の朗読でも、音節を区切って発音します。特に形式詩は「韻 (pied)」の数が決まっています。ここではアレクサンドラン(alexandrin )と言って、6+6の12個の韻を踏みます。
Heureux qui, comme Ulysse, a fait un beau voyage, (Joachim DU BELLAY)
/œ-rø-ki-ko-my-lis a-fɛ-ũ-bõ-vwa-jaʒ/
/ũ/ は、本当は/œ/+/~/ ですが、フォントがないので代用です。

私も、発音を苦手にしている単語があります。「女性の(小学校の)先生」です。どうしてかというと、何処で切ったらいいか初め分からなかったからです。こうやって「4音節」に分けてゆっくり発音する事でクリア出来ました。一番の解決策は、instit と略してしまう事です。こうすると、男も女も関係なく「先生」になります。
institutrice /ĕ-sti-ty-tris/
instit /ĕ-stit/

最近の課題は、「除細動機」です。
défibrillateur /de-fi-bri-ja-tœr/ 「l」を、半母音の/ j /で発音するので注意。
défibrillateur /de-fi-bri-la-tœr/ インターネットで調べたら、「l」の発音もあるみたいです。
本当はどちらなのでしょうか。テレビは 「l」で発音してたけど。。。

皆さんは、どの単語が苦手ですか?

最後にひとつ、辞書の発音記号も、音節ごとに区切ってあったら分かりやすいと思うのですが、そういう辞書がもしあったら教えてください。私のは全部つながっちゃっています。
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by nsato75 | 2009-05-14 10:42 | 発音編

「活用」と「発音」の密接な関係 ー 2 ー

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さて、今日は「第2グループ」の動詞、不定詞が -ir をとる規則変化動詞の番です。(第3グループの動詞の中にも同じように不定詞 -ir をとるものがあるので注意。)

このグループの動詞の特長ですが、「基本形(直説法現在・3人称単数男性形)」は、約1個の動詞を除いて必ず「2つの音節」以上で出来ています。そのうち「最後の母音」は、必ず/ i /になります。語尾に子音は付きません。
このグループの動詞は、日本語の「上一段活用」の動詞「見る、着る、伸びる、落ちる、起きる、等々」と、「い」が「みない、みます、みれば、みよう」のように、全ての活用形に付くのとちょっと似ています。

il finit /fi-ni/ - finir /fi-nir/
il grandit /grã-di/ - grandir /grã-dir/

このグループの動詞は、基本形の最後の音節の母音が同じなので、皆、本当に規則的な活用をします。第一グループで出てきた、母音と母音の「つなぎの子音」ですが、これはこの場合全て -sse- /s/ になります。複数形でそれが見られます。ils は「彼等」に対応する主語代名詞です。(綴りの語尾の s は、動詞が母音で始まる時以外は発音しません。発音するときは/z/ と濁ります。)vous /vu/ は「あなたたち」に相当します。

il finit /fi-ni/ - ils finissent /fi-nis/
vous finissez /fi-ni-se/
il grandit /grã-di/ - ils grandissent /grã-dis/
vous grandissez/grã-di-se/
il obéit /o-be-i/ - ils obéissent /il-zo-be-is/
vous obéissez /vu-zo-be-i-se/

このグループの動詞のもう1つ大きな特長は、名詞や形容詞が動詞の元になっている事が多いという事です。例としてあげたのは、本の一部で、これに該当するものは本当にいっぱいあります。
fin (終わり) - finir (終える)
choix (選択)  - choisir (選ぶ)
grand (大きい) - grandir (大きくなる)
rouge (赤い) - rougir (赤くなる)

数は少ないですが、この活用をする新しい単語も生まれています。人が月面に行ったのは、前世紀後半の出来事です。
terre (大地) - il atterrit /a-te-ri/ - atterrir (飛行機等が着陸する)
lune (月) - il alunit /a-ly-ni/ - alunir (月面着陸する)

さて、音節を2つとらない「例外」の動詞ですが、何でしょう?
これは、haïr (憎む)です。更に面白い事に、この動詞の基本形の母音は/ i /ではなく/ɛ/です。
il hait /il-hɛ/ - haïr /ha-ir/

/h/を付けたのは、この h が「有気音のh (h aspiré)」といって、その前の子音を吸収するのを妨げるのからです。このため、発音は「イ・レ」ではなくて、「イル・エ」に近くなります。

基本形が「同じ母音/ɛ/」の il est は、この /h/ が付かないので、主語代名詞 il の語尾子音の/l/が、活用形の音節の頭に来て、発音は「イ・レ」に近くなります。
il est /i-lɛ/ - être /ɛtr/ (〜です、という助動詞)

最後のもう1つ、不定詞が -ir で終わる全ての動詞がこのグループに入るわけではありません。第3グループに分類される動詞もあるので注意してください。いくつか例を挙げておきます。

il part /par/ - partir /par-tir/
il dort /dɔr/ - dormir /dɔr-mir/
il vient /vjĕ/ - venir /və-nir/
il bout /bu/ - bouillir /bu-jir/
il accueuille /a-kœj/ - accueuillir /a-kœ-jir/

次回はいよいよ第3グループです。
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by nsato75 | 2009-05-14 04:23 | 活用編

発音と文字(つづり)の関係

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ちょっと言い忘れてましたけど、発音編ではあまり綴りの事には触れていません。というか、文字(つづり)と発音は別物だからです。大体どんな発音(母音、子音)があるのか分かった上で、発音に対応する文字を習ったほうが自然と思います。

子供はまず発音から入ります。そのまま、読み書きの機会を得られないと、大人になって文盲になってしまいます。でも文字を知らなくても、ちゃんと「話せます」。でも、新聞も、本も読めないし、テレビの字幕も読めません。インターネットなんて不可能です。

大人になってから、フランス語の勉強を始める人で文盲の人は(少なくとも日本人には)いないでしょう。英語を勉強した事はあるだろうし、アルファベットも知っています。子供の逆をするわけです。しかし、ここに大きな落とし穴があります。フランス語学習を「文字」から入ってしまうと、読み書きが一応出来るようになるのに時間はあまりかからないかもしれないけれど、肝心の発音がおろそかになるどころか、全く抜け落ちてしまう可能性があります。

日本語は、特に発音に関しては本当に「特殊」な言語なのです。フランス語と比べて似ている点も多いのですが、全然違う部分があって、これが分かっていないと、何年経っても「中途半端」なフランス語を話す事になってしまいます。聞き取りも、フランスに住んだりして時間が経てば耳が慣れてきますが、知らない単語を使われると、もうお手上げです。知っている単語なら「単語単位」でまとめて覚えているのから推測すればいいのですが、知らない単語となると発音をまずしっかり識別しないと、聞き返す事も、辞書を引く事も出来ません。

あせらず1つ1つこなしていけば、道は開けてくるはずです。頑張りましょう。
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by nsato75 | 2009-05-14 02:52 | 発音編

「活用」と「発音」の密接な関係 ー 1 ー

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発音編は大分進みましたので、ここでちょっと「活用編」に手をつけてみようと思います。

活用というのは、いわずもがな「動詞の活用」です。フランス語を勉強する時に、我々日本人に「壁」として立ちふさがる厄介者です。私も、初めは活用形がうじゃうじゃ並んだ何ページにも渡る活用表を丸暗記しようと頑張った記憶がありますが、努力に見合う結果は得られませんでした。

それから何年も経ってようやく、動詞の活用と発音は密接な関係にあり、発音と一緒に勉強した方が効率が上がるだろう事、それに、活用表の全部を覚える必要もない事(つまり全部の時制は使わないし、綴りは違っても発音の同じ活用形がある、主語代名詞 je,tu, il, elleは 違っても発音は同じ等等)、フランス人も実は「綴りの確認用」(実はフランス人もカンニングしていた)に活用表を使っている事等々に気づきました。

フランス語の動詞を活用で分類する場合、まず使われるのが「不定詞」です。
・第1グループ 規則変化動詞  不定詞が -er で終わる動詞。
(aimer, lever, protéger,crier, employer, appuyer, continuer, jouer... )
・第2グループ 規則変化動詞 不定詞が -ir で終わる動詞。
(finir, grandir, haïr...)
・第3グループ 不規則変化動詞 それ以外の動詞で不定詞が -oir, -oire, -tre, -dre, -ir, -ire...
(avoir, être, aller,lire, mettre )

実は、ここには大きな落とし穴があります。
まず、第1グループの「規則変化」動詞ですが、確かに大多数は規則的な変化をするのですが、実は「不規則な変化」をする動詞がいっぱいあります。例としてあげた動詞のうち、aimer 以外、全て該当します。規則変化と不規則変化の境界線は、直説法現在形・3人称単数男性形が「母音+子音の組み合わせ」か「母音で終わる」かが大きく関わっています。

(ここでいう「直説法現在形・3人称単数男性形」ですが、動詞の活用形で、一番よく使われる形で、ここでは「動詞の活用の基本形」とします。「直説法現在形・3人称単数男性形」と、ちょっと長ったらしいですが、「(直説法)現在形」はフランス語を勉強する時にまず習う時制ですし、「3人称単数」というのは、「私/あなた」の je/tu ではなくて、普通の名詞が主語になる3人称で、しかも男性主語代名詞 il をとるということです。)

本題に戻ります。「基本形」と「不定詞」を比べてみましょう。(ここにあげたのが一部です。)

il aime /ɛm/ - aimer /ɛ-me/

il crie /kri/ - crier /kri-je/
il emploie /ã-plwa/ - employer /ã-plwa-je/
il appuie /apɥi/ - appuyer /a-pɥi-je/

il vérifie /ve-ri-fi/ - vérifier /ve-ri-fje/
il continue /kõ-ti-ny/ - continuer /kõ-ti-nɥe/
il joue /ʒu/ - jouer /ʒwe/

活用というのは、普通、「基本形」に「(子音+)母音の活用語尾」が追加されて成立します。まず最初に挙げた「規則変化」動詞の il aime /ɛm/は、語尾に/m/があるので、これに「不定詞の活用語尾」の -er /e/ が「そのまま」つきます。aimer /ɛ-me/(子音/m/が、活用語尾 /e/の頭に「移動」するのに注意。)つまり、子音が始めから付いている事で、規則的な変化が「保障」されるわけです。これは、日本語の「五段活用」、「行く」が「行かない、行きます、行けば、行こう」と、母音だけ変わるのと似ています。
これに対して、基本形が母音で終わる動詞は、このつなぎになる子音がないため、ちょっと変わった行動にでます。上にあげた例を見ると分かりますが、/j/ という半母音を新たに付けたりします。つづりが i から y に変わっているのにも気をつけてください。
また、基本形の母音 /i/, /y/, /u/ が「半母音 /j/, /ɥ/, /w/」になって「活用語尾の母音」に吸収されたりします。この場合、音節の数は増えません。

母音で終わっても変化のない動詞もあります。この場合、子音も半母音も入らず、2つの母音が連続する事になります。これを「母音連続 (l'enchaînement vocalique)」といいますが、滑らかに2つの母音を続けるのは、日本人には実はちょっと難しいです。(少なくとも私は苦手でした。いつも発音の先生に注意されていましたから。)
il crée /kre/ - créer /kre-e/
il troue /tru/ - trouer /tru-e/

第1グループで、基本形に子音が付くのに「不規則」な変化をするものをあげます。

il lève /lɛv/ - lever /lə-ve/
il jette /ʒɛt/ - jeter /ʒə-te/
これに該当する動詞は、/ɛ/ -> /ə/と、母音が完全に入れ替わってしまいます。「基本形」の綴りは、アクサン・グラーヴ(accent grave)がついて è になるものと、e+子音を2つ重ねる(tt,ll)、の2種類があるので注意。

il protège /pro-tɛʒ/ - protéger /pro-te-ʒe/
il cède /sɛd/ - céder /se-de/
この場合、母音の変化は、開いた母音 /ɛ/が、閉じた母音 /e/ に変わるだけですみます。

今日はここまで。次回(以降)に、第2グループ、第三グループの説明します。
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by nsato75 | 2009-05-12 05:16 | 活用編

ようやく、「閉じた母音/開いた母音」です

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フランス語の発音編も大分進んできました。今日は「閉じた母音/開いた母音」の組み合わせです。

このペアは全部で4つあります。
閉じた母音 − 開いた母音 (voyelle fermé - voyelle ouverte)
/a/ - /ɑ/
/e/ - /ɛ/ 
/o/ - /ɔ/
/ø/ - /œ/

実際の発音ですが、「閉じた母音」が、歯切れのいいのに対して、「開いた母音」は、ちょっと間延びした感じですが、フランス語の「閉じた母音/開いた母音」は、母音自体の発音のバリエーションというよりは、音節の中での母音と語尾の子音との関係から来ています。ですから、「閉じた母音」と「開いた母音」をだけを取り出して、比較する事は確かにありますがフランス人でも、注意しないと違いはでません。
直説法未来形   je prendrai /ʒə prã-dre/ 「閉じた母音 /e/」
条件法現在形   je prendrais /ʒə prã-drɛ/ 「開いた母音 /ɛ/」

「閉じた母音」というのは、基本的に、「その母音自体で、1つの音節を作れる/音節を閉じられる」という意味です。従って「開いた母音」には、その後に「子音」がついて「音節が閉じられる」ことになります。子音の種類は様々ですが、開いた母音を閉じるのによく使われる子音には/r/があります。ただ、語尾に子音がつからといって、この4つのペアの母音の全てが「開いた母音」になるわけではないので注意してください。

「開いた母音」と「子音」との組み合わせ
/ɑ/ art /ɑr/; âge /ɑʒ/;
/ɛ/ père /pɛr/; thèse /tɛz/;
/ɔ/ mort /mɔr/; poche /pɔʃ/;
/œ/ beurre /bœr/; gueule /gœl/;

「閉じた母音/開いた母音」で、単語の意味が変わるので、よく引き合いに出される、ペアがありますが、この違いをフランス人に聞いても、意識すれば違って発音しますが、そうでなければ「同じ」に発音する人がほとんどでしょう。
/a/ - /ɑ/    patte /pat/ - pâte /pɑt/ (「(動物)の足」ー「パスタ」)

実際問題、この発音の違いを初心者に要求する先生はいないと思います。と言うのは、この発音の違いはフランス人の耳には聴こえても、英語の母音の長短で意味が変わる様な事(live / leave 、住む/離れる)は、ほとんどないからです。

これは、日本語を勉強する人に、「雨と飴」や「神と紙」のイントネーションの違いを教える事は、ほとんどないのと似ています。まあ、多少イントネーションがおかしくても通じるし、しかも地方によってイントネーションも変わる(関西と関東)からでしょう。このおかげで、結局最後まできちんと教えてもらえないままになっている外国人がほとんどの様です。(後は本人の努力次第らしい。。。)

最後に、面白い事を1つ。この「閉じた/開いた」というペアにならない母音が3つありますが(鼻母音は除く)、それらは全て「半母音」をとります。まだ、これが何を意味するのか私には分からないのですが(音韻学者の間では定説かもしれませんが)、ちょっと気になっているのでここに書いておきます。
/i/ - /j/
/y/ - /ɥ/
/u/ - /w/
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by nsato75 | 2009-05-10 07:51 | 発音編