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1人称の主語代名詞「 je / nous (単数/複数)」は「私/私たち」なのか。

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1人称の主語代名詞「 je / nous (単数/複数)」は「私/私たち」なのか。

1人称の単数の主語代名詞 je
1人称の複数の主語代名詞 nous

1人称単数、つまり会話の「話し手」は、フランス語では常に je が使われます。「わたし、僕、俺」などのバリエーションはありません。老若男女,全て同じです。

1人称複数の基本構図です。
nous = je + α(tu/vous/il/ils/elle/elles つまり je 以外の誰か)

「誰と組むか」によって同じ「 nous 」でも意味が変わってきますので注意してください。

( je + tu/vous ) Nous étions heureux. (皆、幸せだったね。)
( je + il/ils/elle/elles ) Nous étions heureux. (私たちは幸せでした。)

2人称の複数「 vous 」と比べて使用頻度はぐんと落ちます。これには主語代名詞「 on 」の存在があります。ちょっと堅苦しい感じを与え、活用形もちょっと厄介な「 nous 」は、フォーマルな場面で使って,一般的には「 on 」を使います。

On a gagné ! On a gagné ! (勝った!勝った!)

主語の「 nous 」は,主語では敬遠されがちですが、目的代名詞「私たちを」とか「私たちに」といった場合にはよく使われます。というか他では代用がきかないからです。

Ma mère nous a acheté une voiture. (お母さんが、私たちに車を買ってくれた。)

また、代名詞「 on 」は 「 nous 」の代用を完全にするものではありません。「私たち」という意味どころか全く違う意味で使われる事もあります。しかし、どちらも必ず「人間」で、物や動物が対象になる事はないのが特長です。

On nous a menti. (あいつらは、私たちに嘘をついた。)
On dit souvent que le cholestérol est mauvais pour la santé.
(よくコレステロールは健康によくないと言われる。)

この代名詞は「こちら側」と「あちら側」のどちらにも使われます。この「二者択一」のどちらかの判断は文脈上でするしかありません。判断基準は「話し手である自分」が「 on 」に含まれるかどうかです。下の例は、この分だけで見るとどちらにも取れる場合ですが、どういう事情かが分かっていれば悩む必要はないでしょう。

On t'a pas menti.
 (私たちは、あなたに嘘をついてはいない。)
 (あの人達は,あなたに嘘をついてはいない。)
 
「あちら側の on 」の場合、該当する人は「複数」いると想定されます。1人ならその人が誰かを言わざるをえません。しかし「誰が」やったかを曖昧にしようする為にこの代名詞を使う事が出来ます。「こちら側の on 」も同様です。「 on 」を使うと1人ではなく「誰かと一緒に」した事になります。

「 on 」に関して最後に1つ。いくら意味上の主語が「複数」でも、動詞の活用上では必ず「単数」の扱いになります。ただ、形容詞を補語にとる場合、女性形とか複数形(ほとんどの場合、発音に影響なく表記上の s が付くかどうか)は、会話の中では使われる事があります。

On est contentes. (私たちは満足です。)
 
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by nsato75 | 2009-06-25 16:09 | 文法編

「 et 」は、必ずしも「と」ではない。

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今日は、si に続いて「接続詞 et 」です。

まずは、les conjonctions de coordination 「等位接続詞」です。これらの接続詞の特長は、基本的に「接続」する2つ(それ以上もありうる)の単語や文の順番が文の意味を大きく左右します。他の接続詞では文の順番を変えても、多少ニュアンスは変わっても、意味にそれほど大きな変化はないのですが,この場合、順番が非常に重要です。

これは文法的には全部で七つありますが、順々に説明します。

et, ou, mais, donc, or, ni, car


toi et moi (あなたと私)

2つの単語を結ぶのに et はよく使われます。ただ基本的に結ぶものは「同じ」でなければいけません。名詞なら名詞同士、動詞なら動詞、形容詞なら形容詞と言った具合です。単語と文を結ぶ事もありますが,これは特殊な例です。

結ばれる2つの単語の順番はとても重要です。例えば moi et toi とは言いません。フランス人も控えめな所があって、moi (わたし)は必ず、2つ目(3つ以上の場合は最後)に付けます。 moi et toi という人は、シチュエーションにもよりますが,よほど自己中な人だと考えられてもおかしくないので気をつけてください。他のペアでは、順番を交換しても全然問題ないものもありますが、これには気をつけてください。

また、ちょっと見ると「 et 」と、日本語の「と」は、同じように見えるかもしれませんが、接続する単語を「3つ以上」にするとその違いが出てきます。

Jean, Jacques et Jules.
ジャンとジャックとジュール

違いが分かりますか。日本語では3つの単語の間に挟まれて「と」が2つ付いていますが、フランス語では最後の単語の頭に et が1つだけついて、その代わりに「 , 」( virgule : 英語でいうコンマ)が付いて,初めの2つを区切ります。これは何故かと言うと、それぞれの接続詞の付く位置が違うからです。では何処に付くか、文節に分けてみてみましょう。

toi / et moi
あなたと / 私

Jean, / Jacques / et Jules
ジャンと/ジャックと/ジュール

フランス語では、後ろの単語の頭に付きますが、日本語では前の単語の後に付きます。フランス語でも全ての単語に et を付ける事もありますが、これは特に強調しようとしたいときです。ちょっと硬い表現なので、文章でしか目にしないかもしれませんが。

Et Jean et Jacques et Jules.
ジャンもジャックもジュールも

何の事はないかもしれませんが、この付く位置によっては、日本語の「と」とは違う意味の用法が出てきます。これは et が単独で使われる時によく見られます。

Et tu n'as rien fait pour l'aider ?
 それで助けもしないで何してたの?(ちょっと意訳です)

この文の前に「何か」前提があるのが分かりますか。この場合、誰かが事故にあったりしていたのに、話し相手から、その人を助けたような話がなかった訳です。

2つの文章を繋げる場合でも、同じ様な効果があります。この時、必ずしも主語は同じではないです。

Le roseau plie et ne rompt pas. (Jean de la Fontaine の寓話からの引用)
 葦はたわむが、折れはしない。

et が「しかし」のように「逆接的」に訳されているのに注目してください。この感覚は、辞書とかでいろんな用例に触れて慣れるのがいいでしょう。まあ,結構文語的なので、日常的にはあまり出てきませんが、知っていると知らないとでは意味の取り方に雲泥の差が出ますので。
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by nsato75 | 2009-06-23 20:20 | 接続詞編

「 si 」は必ずしも「もし」ではない。

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ちょっとお休みしてましたが、再開です!
今日は接続詞の si です。

Un café, s'il vous plaît. (コーヒー一杯、お願いします。)

などの表現でも、おなじみの接続詞 si ですが、これを英語の if の様に考えて、「もし/もしも」と考えていると、絶対に理解出来ない文章がでてきます。確かに「もし/もしも」の訳で通じる表現が大多数ですが、「〜であるのは、〜だからだ」とか「〜とすれば、(他方は)〜だ」などの意味で使われる si がある事を知っていた方がいいでしょう。

しかも、こういった表現はフランス語を始めてすぐの頃には、まず出てきません。中級あたりになってぼちぼち顔を出します。私もその時始めて目にして、しっくり来なかった記憶があります。どうしても「もしも」が頭にちらついてしまって、文の正しい意味が取れなくなってしまいました。

この表現は「もしも〜なら、〜です」という「条件の si 」とは違って、2つの文の意味のコントラストを使った表現です。

「〜であるのは、〜だからだ」
Si Marie n'aime pas les huîtres, c'est parce que ça l'a rendue très malade une fois.
 マリーがカキを嫌いのは、一度、カキに当たったからです。

「〜とすれば、(他方は)〜だ」
Si la région parisienne a ses atouts, la province a ses charmes.
 パリ地方はいろいろ便利だが、地方には地方の魅力がある。

ちなみに s'il vous plaît. をそのまま直訳すると「あなたのお気に召すなら。。。」という意味になります。普通は、si の付いた文は、最初に来ますが、s'il vous plaît.の場合は、ほとんどの場合後ろに来ます。例えば:

La poste, s'il vous plaît. (郵便局はどこですか。)

あと、相手が1人の場合で、友達、家族、子供だったりすると s'il te plaît になるので注意してください。例えば:

Passe-moi le sel, s'il te plaît. (塩をとってくれる?)

それと、人にものを頼むときは「必ず」これを最後に付けてください。でないと「非常に失礼な人」にとられてしまいます。フランス人の親は、自分の子供に対して、s'il te plaît. / s'il vous plaît. を付けるように非常にしつこく言っています。これは見習った方がいいでしょう。


話はちょっとかわりますが、「接続詞 si 」は、「今現在の事実とは違う事を仮定する時」や「過去に実際に起こった事とは違う事を仮定する時」などで使われる、「条件法・現在/過去形」だけでなく、「直説法・未来形」とも密接な関係にあります。例えば:

S'il pleut demain, je ne viendrai pas chez toi.
 明日雨が降ったら、家に遊びには行かないよ。

未来形というのは、実は直接「未来のこと」と表すよりは、「条件の si 」を使って「今はこうであるなら、未来はこうなる」という二段階の表現なのです。

こう考えると、一般に「 si 」のついた文には、活用語尾の r の付く「直説法・未来形」や「条件法・現在/過去形」は来ない事になっています。昔の表現ではあったようですが、今の「文法規則」では間違いになってしまいます。「 si 」を使った仮定の文をを受けて始めて成り立つ時制と考えれば、話が通じると思います。

Si le colis arrive demain, je serai très content.
 明日小包が着けば、嬉しいです。

Si j'étais riche, j'achèterai un voilier.
 もしお金があったら、ヨットを一艇、買いたいな。

Si Pierre ne serait pas parti trop tôt, il aurait pu rencontrer Jean.
 もしピエールがあんなに早く家を出て行かなければ、ジャンに会えたのに。

その他の接続詞に関しては、また別の機会に紹介します。ではまた。
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by nsato75 | 2009-06-20 07:56 | 接続詞編

2人称の単数/複数形は、「あなた」と「あなた達」なのか?

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今日は、2人称です。

2人称の単数の主語代名詞 tu
2人称の複数の主語代名詞 vous

2人称の単数は、会話の「話し相手」が1人の場合です。日本語の様に「あなた,君、お前」等と、相手との社会的関係によって呼び方を変える事はありません。名前を知らなくても tu を使って会話が成立します。

2人称の単数は、会話の「話し相手」が1人の場合でしたが、2人称複数はちょっと違います。

基本的な構図はこうなります。
1. vous = tu +α(別の話し相手、または、その場にいない誰か)

1-1. vous = tu +tu (+tu...)
これは、会話の相手が何人かいる場合です。日本語だと、この場合「みんな、皆、皆さん」を使う事が多いようです。
例えば:
 Avez-vous fini le petit déjeuner ?(皆さん、朝食は済ませましたか?)

子供には tu を使うと言いましたが、子供が「何人か」いる場合は、この vous になりますので注意してください。「丁寧表現」の vous に慣れてしまっていると、この使い方の感覚が今ひとつわかない事もあるかと思います。フランス語圏の子供にとって「複数」の vous の方を先に身に付け、「丁寧表現」の vous が後なのですが、大人になってからフランス語を勉強する人がこれが「逆」になってしまうからです。

1_2. vous = tu +il (+ils/elle/elles)
これは「話し相手」が一人しかいない場合でも、その人の「家族、友人、同僚、同国人」などを意識して話す場合です。

二人で会話していて、ずっと tu を使って話していたのに、突然、話し相手が vous を使ったら、自分以外の人を含めて話していると思ってください。
 Vous mangez aussi des escargots au Japon ? (日本でもカタツムリを食べますか?)

2. vous = tu (丁寧表現)

tu は、大人になってからフランス語を勉強する人にとって、最初は、以外と馴染みの無いものです。というのも、この主語代名詞は、普通、家族や親しい友人等の「気の置けない人」に対して使われ、「初対面の大人の人」に tu を使うのは、一般的に「失礼」に当たるからです。教科書や小説の中で tu は、よくでて聞きますが、実際の会話では、特に始めのうちは vous を使う機会の方が多いでしょう。まずフランス人の先生に対して vous を使う必要がありますから。

でも「子供」に対しては、tu を使っても問題ありません。逆に vous を使うと変です。ただ、子供の年齢が高くなっていくに従って、どこまで「子供扱い」できるかどうかの判断がデリケートになってきます。高校生くらいになると、どっちを使っていいか迷うときもあります。子供同士では始めから tu です。若い人同士でも同世代であれば、始めから tu を使うのが一般的ですが、これには個人差があります。

余談ですが、「あなた達」を使う日本語のシチュエーションは「相手を非難」する場合です。「おまえ」とか「君たち」も同様です。フランス人で、これを「間違って」、tu / vous の代わりに使っているのを見かけたら、注意してあげてください。

それと「わたし」を連発する人も同じです。日本語で「わたし」を連発するのは、フランス語で moi, je... (わたし、わたし、)と同じだと教えてあげてください。フランス人はどうしても、主語代名詞がないと安心出来ないので、こうなってしまうのですが、これでは「自然な日本語」は身に付きませんから。

2人称の特長は、「命令形」が「単数/複数」両方にある事です。これは、また別の機会に説明します。
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by nsato75 | 2009-06-11 10:25 | 文法編

フランス語の「人称」ー その1

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修正 6月8日

「性 le genre 」と「数 le nombre 」を説明しましたが、まだ肝心の「人称 la personne 」の説明がまだでした。

フランス語には「3つの人称」があります。

La première personne  (1人称)
 ー 話し手 (主語代名詞 je / nous )
La deuxième personne (2人称)
 ー 話し相手 (主語代名詞 tu / vous )
La troisième personne (3人称)
 ー それ以外の話題となる「人,もの,事」全て
(具体的な名詞をとる。主語代名詞 il / ils ; elle / elles ) 

前にも「日本文化のマイナス面。。。」の投稿で少し書きましたが、日本語は、この「3人称」が基本です。というか「1人称・2人称」で「動詞が特定の活用」をしません。それに、自分を示す「わたし、俺、僕、小生等」の「主語代名詞」の種類がとても多くあります。(主語代名詞に限って言うと、「限りなく似ていていて非なる」韓国語では、その種類は限られています。)

日本語では、「自分の事」を言うのに「具体的な単語」を主語に使うときがあります。
例:お母さんがやってあげる。(自分の子供に対して)
 フランス語で Maman va le faire pour toi. というと、
この文を話した人は maman (お母さん)ではなく、必ず別の人です。兄弟姉妹か、お父さんという所でしょうか。

「サッチャン」と言う歌の中に、
「サッチャンはね。さちこっていうんだ。ほんとはね。
 だけど、ちっちゃいから,自分の事「サッチャン」て呼ぶんだよ。
 おかしいね。サッチャン。」
という下りがありますが、私も小さい頃、自分の事を「○○ちゃん」と呼んでいました。ところが、ある日,それが「子供っぽい」と気づいて「僕」に強制的に変えた記憶があります。今でも思い出すと冷や汗ものでした。その後「僕」に慣れるまで大分時間がかかりました。

日本語は、「敬語」とか「丁寧語」で文の形が変わってきます。
「敬語」は「誰の事を話しているか」が問題であって、その人が「話し相手」か「それ以外の話題の人物」かは関係ありません。
「丁寧語」では、「相手との社会的関係 (年上年下等)」で変わってきますが、「話し相手」が話題の話す時だけではなく「全ての文」が「丁寧文」に変わってしまいます。

3つの人称の関係ですが、「入れ子構造」になっています。これは「会話の構造」とも言えます。

{(1人称/2人称)3人称 }

カフェを想像してください。「話し手」が「話し相手」とテーブルを囲んで「それ以外の人やもの」がテーブルの周りにある訳です。会話が成立するのは「話し手と話し相手」の間だけです。他の人が入ってくるときは、テーブルに座らなくてはいけません。これをきちんと整理して話す事がフランス語では重要なのです。

ただ、同席していている人に対しても「3人称」を使う場合があります。これは、別の同席している人と「小さい会話」をする時です。「二人の会話の世界」に入ってしまうと、同席していても「話題の人」になってしまいますから。

人称に関して、1つ面白い表現があります。それにこれは「カフェやレストランで」まだ耳にする事がありますので気をつけてください。年配のウエイターが、若い人に向かって使う表現で、tu や vous を使わずに面と向かって「3人称」で話しかけます。

Qu'est-ce qu'il veut, jeune homme ? (若いの、何にします?)
Qu'est-ce qu'elle veut, ma petite ? (お嬢さん、何にしますか?)

こう話しかけられても,返事は「1人称」で十分です。
Je voudrais un café, s'il vous plaît.

どうしてこういう表現を使うのか、本人達に確かめた事はないのですが、tu / vous のどちらを使うか(この vous は丁寧語に属します。)決めかねるからでしょうか。tu を使うのはちょっと気が引けるし,vous を使うのもかしこまりすぎるという所でしょう。
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by nsato75 | 2009-06-06 21:17 | 文法編

フランス語の「人称」ー その1

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修正 6月6日

「性 le genre 」と「数 le nombre 」を説明しましたが,まだ肝心の「人称 la personne 」の説明がまだでした。

フランス語には「3つの人称」があります。

La première personne  (1人称)
 ー 話し手 (主語代名詞 je / nous )
La deuxième personne (2人称)
 ー 話し相手 (主語代名詞 tu / vous )
La troisième personne (3人称)
 ー それ以外の話題となる「人,もの,事」全て
(具体的な名詞をとる。主語代名詞 il / ils ; elle / elles ) 

前にも「日本文化のマイナス面。。。」の投稿で少し書きましたが、日本語は、この「3人称」が基本です。というか「1人称・2人称」で「動詞が特定の活用」をしません。それに、自分を示すいわゆる「主語代名詞(私,僕,俺,小生等)」の種類がとても多くあります。(代名詞に限って言うと「限りなく似ていていて非なる」韓国語では、その種類は限られています。)

日本語では「自分の事」を言うのに「具体的な単語」を「文の主語」使うときがあります。
例:お母さんがやってあげる。(自分の子供に対して)
 フランス語で Maman va le faire pour toi. というと、この文を話した人は maman (お母さん)ではなく、必ず別の人です。兄弟姉妹か、お父さんという所でしょうか。

「サッチャン」と言う歌の中に
「サッチャンはね。さちこっていうんだ。ほんとはね。
 だけど、ちっちゃいから,自分の事「サッチャン」て呼ぶんだよ。
 おかしいね。サッチャン。」
という下りがありますが、私も小さい頃、自分の事を「○○ちゃん」と呼んでいました。ところが、ある日,それが「子供っぽい」と気づいて「僕」に強制的に変えた記憶があります。今でも思い出すと冷や汗ものでした。その後「僕」に慣れるまで大分時間がかかりました。

日本語は「敬語」とか「丁寧語」で文の表現が変わってきます。
 「敬語」は「誰の事を話しているか」が問題であって、その人が「話し相手」か「それ以外の話題の人物」かは関係ありません。
 「丁寧語」では、「相手との社会的関係 (年上年下等)」で変わってきますが、「話し相手」が話題の話す時だけではなく「全ての文」が「丁寧文」に変わってしまいます。

3つの人称の関係ですが「入れ子構造」になっています。これは「会話の構造」とも言えます。

{(1人称/2人称)3人称 }

カフェを想像してください。
 「話し手」が「話し相手」とテーブルを囲んで「それ以外の人やもの」がテーブルの周りにある訳です。会話が成立するのは「話し手と話し相手」の間だけです。
 他の人が入ってくるときは、テーブルに座らなくてはいけません。これをきちんと整理して話す事がフランス語では重要なのです。

ただ、同席していている人でも「3人称」を使う場合があります。これは、別の同席している人と「小さい会話」をする時です。「二人の会話の世界」に入ってしまうと、同席していても「話題の人」になってしまいますから。

人称に関して、1つ面白い表現があります。それに「カフェやレストランで」まだ耳にする事がありますの。年配のウエイターが、若い人に向かって使う表現で、tu や vous を使わずに面と向かって「3人称」で話しかけます。

Qu'est-ce qu'il veut, jeune homme ? (若いの、何にします?)
Qu'est-ce qu'elle veut, ma petite ? (お嬢さん、何にしますか?)

こう話しかけられても,返事は「1人称」で十分です。
Je voudrais un café, s'il vous plaît.

どうしてこういう表現を使うのか、本人達に確かめた事はないのですが、tu / vous のどちらを使うか(この vous は丁寧表現に属します。)決めかねるからでしょうか。tu を使うのはちょっと気が引けるし,vous を使うのもかしこまりすぎるという所でしょう。
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by nsato75 | 2009-06-06 21:03 | 文法編

「単数」と「複数」は、「1つ」と「たくさん」なのか? ー その1

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6月7日 修正
6月5日 修正

名詞の「男性/女性」が、実は、「単に文法上の区分が、たまたま生物学上の性と一致」するだけということを書きました。「単数/複数」の概念に関しても同じ事が言えます。

フランス語の「性」は、「二者択一」ですが、「男性」が「基本」で、「女性」が「特別」と考えるほうがよさそうです。

さて、フランス語文法の「数」ですが、ちょっと違います。しかし、実際に「数える数」があって、それと「一部、重ねて」見ている点は似ています。

まず、フランス語には、ものを数える時に使われる「数詞」があります。(余談ですが、「女性名詞」を1から声に出して数えるときは、un, deux, trois... ではなくて une, deux, trois... になりますので,注意してください。 何気ない事ですが、フランス語の言語感覚が身に付いているかどうかの判断する基準˜になります。)

1 - un / une - /œ˜/ - /yn/(男性名詞/女性名詞)
2 - deux - /dø/
3 - trois - /trwa/
4 - quatre - /katr/
5 - cinq - /sɛ˜k/
6 - six - /sis/
7 - sept- /sɛt/
8 - huit - /ɥit/
9 - neuf - /nœf/
10 - dix - /dix/
11, 12, 13... 100... 1 000... 100 000... n

数詞の場合は確かに「単数」は「1つ」で、「複数」は「それ以上の全ての数」です。しかし「文法上」の「単数/複数」は、これとは必ずしも一致しません。「男性/女性」と同じく「単数/複数」も「二者択一」で、文章の中で名詞(代名詞も)が使われる時、「単数/複数」のどちらかに必ずなリ,その中間はありません。「単数」は「1つ」と、ある程度一致しますが、「複数」は「2つ」とか「3つ」とかの具体的な数字ではなくて「複数形」1つだけです。

具体的な「名詞」を「主語」とる「3人称」で見てみましょう。ここでは「代名詞  il / ils」を使います。「複数形」で語尾に「別の子音」が付くものがあります。中には「母音がかわるもの」もあります。つまり動詞の種類によって「複数形」で「発音の変化」を「反射的に」できるようにする必要がある訳です。

第1グループ 規則変化動詞 -er を不定詞にとる
発音の変化はありません。
il aime / ils aiment (aimer)

第2グループ 規則変化動詞 -ir を不定詞にとる
il finit / ils finissent (finir) (「複数形」に /s/ がつきます。) 
/fi-ni/ - /fi-nis/
il hait / ils haïssent (haïr)
/hɛ/- /ha-is/ (特殊ですので注意してください。)

第3グループ 不規則変化動詞

子音のつくもの(主語代名詞 ils の次に母音が来ると、s が /z/と発音されます。これを「リエゾン la liaison と呼びます。」
il est / ils sont - /i-lɛ/ - /il-zɔ˜/ (être)
il met / ils mettent - /il-mɛ/ - /il-mɛt/ (mettre)
il part / ils partent - /il-par/ - /il-part/ (partir)

子音が付いて母音も変わるもの
il prend / ils prennent - /il-prã/ - /il-prɛn/ (prendre)
il veut / ils veulent - /il-vø/ - /il-vœl/ (vouloir)

発音の変化しないもの( /r/ が付くものが、これに多く該当します。)
il court / ils courent - /kur/ (courir)
il offre / ils offrent - /ɔfr/ (offrir)
il ouvre / ils ouvrent - /uvr/ (ouvrir)
il meurt / ils meurent - /mœr/ (mourir)


フランス語の l'article (冠詞)で見てみましょう。

les articles indéfinis (不定冠詞) 
「不定」という事は「定(冠詞)」がある事を意味します。これは後で解説します。

単数 un / une - un ami / une amie
複数 des  - des amis / des amies

Un café, s'il vous plaît. (コーヒー、一杯ください。)
 「単数形」は「数詞」の「1」と同じ形です。これが「不定冠詞」になる為には「名詞+形容詞」の組み合わせが必要になります。

C'est un homme intègre. (あいつは、潔癖な男だ。)
 この文では「1人」という事より、話題にしている男の人の「潔癖さ」の方に関心があります。でも「定冠詞」を使って l'homme intègre とすると「あの(有名な)潔癖な男」と「特定の人」を連想させてしまいます。

Tu as des amis au Japon ? (日本に友達いますか。)
 この文では des amis と「複数形」が使われていますが、何人もいる事を想定している訳ではありません。 un ami / une amie を使うと、1人に限定されてしまうので、漠然と「友達」と言う為に複数形にする訳です。

Je suis parti en vacances avec des amis. (友達とバカンスに行った。)
 この文では、具体的に「誰」と行ったかがはっきりしていません。例えば、特定の誰か1人と行った場合でも「複数形」を使うと、それを「隠す」事が出来ます。発音上では des amis / des amies のどちらも(男性も女性も)全く同じですので、性別も分かりません。といっても「嘘」を言っている訳ではないのです。

Il y a de jolies filles en France. (フランスは、きれいな娘がいる国だ。)
Je vois des jolies filles dans la rue. (通りに、きれいな娘が(何人か)いるのが見える。)
 フランス語では、形容詞が名詞の後に付くのが普通ですが、少数ですが、中には「前」に来るものがあります。この時、文脈にもよりますが、des ではなくて de になります。具体的な場合には、des になるようです。

「定冠詞」の「単数/複数」に関しては、また次回に。
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by nsato75 | 2009-06-05 10:51 | 文法編

フランス語の「性」ー 補足3

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フランス語の単語で、職業を表すものの多くは「男性/女性」で違いが出ます。「女性形」に関しては、フランスよりは、ベルギー、スイス、特にカナダのケベックで「男性形/女性形」の使い分けが進んでいるようです。「男女平等」のためですが、フランス語の単語は、そう簡単にはいかない所があります。

例えば、
le musicien / la musicienne (音楽家)
/my-zi-sjĕ/ - /my-zi-siɛn/
le boulanger / la boulangère (パン屋)
/bu-lã-ʒe/ - /bu-lã-ʒɛr/
le chanteur / la chanteuse (歌手)
/ʃã-tœr/ - /ʃã-tœz/

これに対して、職業なのに「男性形」しかないものがあります。
le médecin (医者)
/med-sĕ/
l'écrivain (物書き)
/e-kri-vĕ/
le professeur (先生/教授)
/pro-fe-sœr/
le maire (市長)
/mɛr/

la médecine /med-sin/ となると「医学」という意味になるので、この女性形はこれからもないでしょう。女性という事をはっきりさせるときは、la femme médecin を使うこともあります。

l'écrivaine /e-kri-vɛn/ と「女性形」で使う人もいますが、これはまだまだ問題がありそうです。

le prof / la prof と省略した形では一般的に受け入れられています。

市長が女性の場合で、呼びかける時は、Madame le maire を使います。

カナダでは la professeure と e をつけて「女性化」します。同じように un auteur (作家)も une auteure になります。フランスでも使う人はいますが、まだまだ少数です。

「女性形」が新しく作られたものがあります。
le sénateur / la sénatrice (元老院議員)
/se-na-tœr/ - /se-na-tris/

「男性形」しかなかったものが、「男女同形」になったものもあります。
le ministre / la ministre (大臣)
/mi-nistr/

ちょっと前迄は、女性大臣に呼びかける時、Madame le ministre でしたが、今では Madame la ministre で通用します。

さて、フランス語の中には「職業」ではないのですが、人に使われる単語で「男性」「女性」のどちらかでしか使われないものがあります。

男性名詞
le témoin (証人)
/te-mwĕ/
un hotage (人質)
/o-tɑʒ/

女性名詞
la personne (人)
/pɛr-son/
la victime (犠牲者)
/vik-tim/
la vedette (スター)
/və-dɛt/
la star (スター)
/star/

男の人なのに la victime、女の人なのに le témoin。これは「男女平等論者」にも手が出せません。これは「職業」ではなく「役割」なのです。

面白い例に、「美女と野獣」があります。フランス語では、La Belle et la Bête となり、どちらも「女性名詞」です。la bête de scène という表現もありますが,これは「熱いコンサート」をする歌手のことを指して使いますが、男性歌手にも女性歌手にも使います。
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by nsato75 | 2009-06-05 08:40 | 文法編

フランス語の「性」ー 補足2

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今日はちょっと面白い話を紹介します。実は、フランス語の単語で「性転換」したものがあります。

フランス語では国の名前に「性」があります。数例を紹介します。

女性名詞(単数/複数)は
La France フランス
L'Allemagne ドイツ
L'Algérie アルジェリア
La Russie ロシア
La Chine 中国

Les Philippines フィリピン
Les Maldives モルジブ


男性名詞(単数/複数)は
Le Japon 日本
Le Mexique メキシコ
Le Cambodge カンボジア
Le Canada カナダ
Le Venezuela ベネズエラ

Les Etats-Unis アメリカ合衆国
Les Pays-bas オランダ
Les Emirats arabes unis アラブ首長国連邦

どの国が「男性」で「女性」かは、「語尾の形」で決まっているものもあります。

-ie の付く国名は必ず女性形です。
La Turquie トルコ
La Tunisie チュニジア
La Birmanie ビルマ

最後に挙げた「La Birmanie ビルマ」は、現在では Le Myanmar で「男性名詞」です。つまり名前が変わった事で「性転換」してしまった訳です。正式な国名が変わったと言っても,フランス人は今でも La Birmanie を、よく使いますし、ビルマ人と言う場合、Le Birman / La Birmane になります。
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by nsato75 | 2009-06-04 07:14 | 文法編