フランスの新聞の「言葉遊び」。。。

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日本の新聞では、大まじめな記事で言葉遊びをするのは不謹慎と思われていますが、フランスではそうではないようです。

パリのメトロの入り口や中で配られるフリーペーパーには3種類ありますが、そのひとつ「20 minutes」。20分で読み終わる新聞という意味です。3月30日金曜日の記事の中から一つ。

"A la recherche d'un lectorat perdu" (失われた投票者層を求めて)

大統領選の候補者が若い人たちの選挙離れに対して、なんとかつなぎ止める努力をしようとしている姿を伝えている記事ですが、フランス文学に詳しい人なら、これがプルーストの有名な小説「A la recherche du temps perdu (失われた時を求めて)」に掛けてあるのがわかると思います。

同日の新聞からもう1つ。

"Des prix survitaminés" (ビタミン強化された価格)

これは果汁の市場で、価格が高騰していることを受けた記事です。価格の上昇を、果汁の栄養素の一つであるビタミンの強化という形で表現しています。この類いに入る言葉遊びは結構あります。

記事ではなく、広告になるともっと、面白いものがあります。同じフリーペーパーの「Direct Matin」の、同日の広告からです。

"Fruit style" (フルーツ・スタイル)

海岸で、右には海を見つめる人間のサーファーが、左には足の生えたマンゴーがサーフボードを持って立っている広告ですが。これは、果汁入り清涼飲料のメーカーの広告で、水泳の「フリースタイル(自由形)」に引っ掛けてあります。

適度な、言葉遊びは、場を和ませる働きもありますし、気の利いたものは、その人のエスプリを判断する材料にもなります。
フランスには日本でよく言う「オヤジギャグ」という特別なカテゴリーはないですが、こういう言葉の引っかけを連発するとやはりひんしゅくを買いますのでご注意を。
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# by nsato75 | 2012-04-06 07:24 | 単語編

La Française doit voter.(女性参政権要求)。。。

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先週のフリーペイパーの中の広告に、こんなスローガンの載った古い白黒写真が掲載されていました。

これは「フランスにおける女性参政権要求」のスローガンです。フランスで女性参政権が実現したのは1944年(実際に投票したのは1945年)、「人権の国」として有名なフランスも女性に対しては厳しかった訳です。ちなみに人権は les droits de l'homme ですから、そのまま訳すと「男の諸権利」となってしまいます。

女性の参政権は le droit de vote des femmes で femme (女)に s がついて「複数形」です。ところが、このスローガンでは La Française と「単数形」なっています。当時の歴史的背景をひもといた訳ではないので、あまり憶測はしたくないですが、性差別を、女性の単数形と言う形で表現しているようです。

単数形か、複数形かで、意味が大きく変わる場合があるのがフランス語の特徴です。単数、複数という言葉の持つ意味にとらわれずに、2つの「形の違い」で生まれるニュアンスに耳を傾けてみると、フランス語が違って聞こえると思います。
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# by nsato75 | 2012-04-02 07:08 | 文法編

ジョディー・フォスターも間違えた単語(昔の話ですいませんが)。。。

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ヤフー・フランスが選んだネット上の記事で、フランス語を話すフランス語圏以外の俳優達が紹介されていました。フランスに長く住んでいるアメリカやイギリスの俳優達は、それなりにフランス語を使いますが、やはり中でもジョディー・フォスターは別格ですね。

Jodie Foster Opening Speech Cesars 2011 (ユーチューブで検索してみて下さい)

フランスのセザール賞(アメリカのアカデミー賞のオスカーに相当)の開会宣言のヴィデオでしたが、プロンプター(字幕)を読んでいるのはわかったものの、完璧な発音とエレガントな仕草、素晴らしいスピーチでした。彼女は、どうやら若い頃からフランス語に親しんでいたらしく、最近はフランス語版の吹き替えは自分自身でこなすという芸当まで披露してくれます。

そんな彼女ですが、ずっと前に見たインタビュー番組で、英語とフランス語で意味が全く変わってしまう、ある単語を使い間違えていた場面に出くわした事があります。あまり日常使われる単語ではなく、フランスに住んでいなければそうそうお目にはかからないので彼女を責める気にはならないのですが、参考までに紹介しておきます。

le préjudice 。フランス語では「損害」といった意味になりますが、
英語の prejudice は「偏見」です。(英語ではアクセント記号はつかないので注意)
フランス語で「偏見」という意味に使われるのは le préjugé で、ちなみに、ジョディー・フォスターは、偏見の意味で le préjudice を使っていました。

英語とフランス語の間には、同じ綴り、ほぼ同じ発音でも、意味が恐ろしく変わる単語の対 ( les faux amis ) があります。これはそのうちの代表的な例です。英語が出来ると、フランス語にかなり「流用」できますが、うっかりすると落とし穴があるので気をつけたいですね。

フランス語を話す英語圏の俳優さんですが、びっくりしたのは「ハングオーバー」のブラッドレー・クーパーでした。細かい単語になると、戸惑ってましたが、ちゃんとフランス語で会話しているんです。18歳の時に、半年間、南仏のエックス・アン・プロヴァンス市で文学を習ったそうです。

bradley cooper parle francais で検索するとヒットしますよ。
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# by nsato75 | 2012-03-29 12:15 | 単語編

「éternuer くしゃみする」と「éteindre(電気/火を)消す」の共通点。。。

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少し前に、この2つの動詞の発音で、誤解を招いた事がありました。
日本にいる時から、花粉症でよく「くしゃみをした」と言いたかった所、「(何かを)消した」と伝わってしまいました。

半過去形で
J'éternuais / ʒe tɛr nɥɛ /... と言おうとした所、
J'éteignais / ʒe te ɳɛ /.. と聞こえたわけです。

種明かしは「ニュ」の発音です。フランス語には日本語の「ニュ」に対応する発音は幾つかありますが、日本人に違いがわかるかどうか微妙な所です。(私もまだ完全にマスターしていません。)

ところが、この2つの動詞は現在形(3人称の単数の場合)だと、とても違って聞こえます。
il éternue / i le tɛr ny /
il éteins / i le tẽ /

「éteindre(電気を)消す」の方には「ニュ」に対応する発音が出てこないばかりか、母音の数も一つ少なくなります。
このブログでは、直説法現在の3人称単数形を「活用の基本型」としていますが、「éternuer くしゃみする」は「continuer 続ける」と同じで / y / を基本母音に持った動詞なのです。これが、鼻母音 / ẽ / を基本母音に持つ「éteindre(電気を)消す」との大きな違いです。

これを2人称の複数の vous で活用すると、前に出した半過去形と似た様になります。
Vous éternuez / vu ze tɛr nɥe /
Vous éteignez / vu ze te ɳe /

「éternuer くしゃみする」には / r / の発音が入っていますが、/ nɥe / と / ɳe / の区別を付けるのが大変な訳です。

この2つの発音を無理に日本語で区別しようとすると「ニュエ」と「グニュエ」になりますが、そう簡単ではありません。
それに / nɥe / の場合、子音 / n / と 半母音 / ɥ / の、2つの発音ば結びつくのですが、/ ɳe /の場合、子音 / ɳ / だけです。

映画「アメリー」の中で、確か名前の「Collignon」の最後の音節を / ɳõ / と発音出来ないで / njõ / と発音するのを直されているシーンがあったと思います。フランス人にも難しい区別なのでしょうか、今度確認してみます。
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# by nsato75 | 2012-03-27 09:04 | 発音編

「クースクース」か「クスークスー」か?。。。

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日本でも最近割と知られていると思いますが、フランスでとてもポピュラーなマグレブ(北アフリカ)料理の「クスクス」。フランス語では「 couscous 」と書きます。この単語の発音は / kus kus / で、母音がつくのは「ク」の方で「ス」は子音だけです。

日本語は、子音だけで発音が出来ずに「存在しない母音」をつける傾向があります。例えば、男性の名前で Pascal / pas kal / ですが、/ s / と / l / は子音だけですが、日本語で表記すると「パスカル」/ pasu karu / となり、母音が2つのフランス語の単語が、母音4つの単語になってしまいます。

しかし日本語でも母音の後に続く「ウ行」の音(ク、ス、ツ、ヌ、フ、ム、ユ、ル)の場合、はっきりと母音「ウ」が伴わなくても通じるのは皆さんご存知でしょう。「バス」と言う場合、「バ」に軽く「ス」を続ければ十分です。両方の母音をはっきり発音すると(イントネーションも変わります)乗り物の「バス」には聞こえなくなります。(そのように発音する地方もあるかもしれませんが。)

このおかげで「パスカル」もフランス人には / pas kal / に近く聞こえるようです。他に課題はありますが、特別に意識しなくても日本語で十分に発音が通じる一つの例でしょう。

さて本題です。私のカンボジア人の知り合いの中に、「 couscous 」を「クスークスー」と発音してしまう人がいます。これはカンボジア語が母音に続く子音を殆ど全く発音しない所(「フランス」をカンボジア人は「フラン」と発音します。最後の子音を意識しているようですが、普通聞こえません)と、「クメール」/ khmer / のように、母音の前なら子音が2つ / kh / / m / 並ぶことが普通なためです。このため / kus kus / ではなく / ksu ksu / 「クスークスー」としてしまうようです。

外国語の発音をマスターするのはそう簡単ではないですが、自分の母語(例えば日本語)との違いを知った上で似ている所は十分活用して、違いをマスターする様にした方が近道です。それと、オペラ歌手ではないですから発音を全く同じにしようとするのはお薦め出来ません。多少「なまり」があっても通じる発音が有効です。
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# by nsato75 | 2012-03-12 09:10 | 発音編